家の断熱材として活躍
家で活躍する発泡スチロールの中で、おそらく最も貢献度が高いのが断熱材。意外と知らないかもしれませんが家の壁部分には断熱材として発泡スチロールが埋め込まれていたりするのです。実際に施工中の写真などを見てみると、木で出来た骨組みの間に余すことなく発泡スチロールが敷き詰められていることも。これが夏は暑さから、冬は寒さから部屋を守ってくれます。
なぜ発泡スチロールなのかといえば、単純に断熱性が高いためですね。熱の伝導率は個体、液体、気体の順番で低くなります。そして発泡スチロールは98%が空気、つまり気体で構築された素材です。そのため熱の伝導率を下げることができ、結果として断熱性が高まるという理屈です。空気は動きさえしなければ優秀な断熱材と言われることもあり、発泡スチロールの「空気の入った個室が大量にある状態」はまさに断熱にぴったりなわけです。
有名なところではクーラーボックスにも利用される素材ですからね。身近なところではカップラーメンを持った時に手が熱くならないのが発泡スチロールの断熱性を証明しています。家庭によって異なりますが、断熱材として発泡スチロールを利用するだけで年間の電気代を数万円単位で浮かせることも。暖房や冷房が苦手な方にもいいかもしれませんね。ちなみに、値段もそこまで高くはないです。あくまでも一例になりますが1棟あたりの価格は50~65万円程度でしょうか。セルローズファイバーなど高価な断熱材と比べればかなり価格を抑えることができますね。
しかも、発泡スチロールの断熱材は長期にわたって劣化しないという特典つき。使っている間に断熱効果が失われることはなく、住宅を長持ちさせることが可能です。しかも、発泡スチロールは原料にフロンやアスベストと言った人体に悪影響を与えるものが使われていません。つまり安全に使い続けることができるわけです。同じ住宅に一生住むこともありえますからね。断熱性、耐久性、安全性に優れた発泡スチロールは非常に優秀と言えるでしょう。
また、発泡スチロールの建材は火元さえなくなれば自己消火をする特性も持ち合わせています。火元さえ遠ざけてしまえば3秒以内に火が消えるそうです。断熱材として活躍するうえ様々なメリットをもった発泡スチロール。今まで建材として利用されることすら知らなかった方は覚えておいてくださいね。自分が知らないだけで実はあなたの家にも使われているかもしれませんよ。